写真と版画


エッチングプレス機
7年程前、初めてエッチングを体験しました。
不思議な事に何故やろうと思ったのか、未だに思い出せません。
元々絵を描く事が特別好きな訳でも得意な訳でもなかったのに...。
でも工房に行き始めて暫くたった時、写真製版に出逢いました。
その時の衝撃は、憶えています。
写真は好きでしたが、何か物足りない気がしていて、他に何か表現する方法がないかと思っていたところだったので、これだ!!という感触がありました。
そこから、平面作品だけでなく、様々な表現を試みてみました。
版画の制作に関しては、まだまだ試行錯誤が続いています。
写真製版は、元が写真なわけですが、版画を制作する為に無理矢理
素材を探して写真を撮ったり、変に写真製版にこだわったりしていた
時期もありました。 でも、最近ようやく原点である写真の大切さに
今更ながら、気づきました。
何故、写真を撮るのか...それは、真実の美を写し撮りたいから。
自分が感じ取った『 美 』の存在をそのまま伝えたいから....。
でも、版画の事をイメージしながら写真を撮ると、その美が写し撮れ
ません。その被写体と正面から向き合えないからです。
やはり写真は、その時 目の前にあるものを最高に美しく見せる為だけ
にシャッターを切るべきで、その後それでどうしたいか、などという
欲は、捨てなければならないと気づきました。
それを版画作品にするかどうかは、その後の問題。版画にしてなお
一層その『 美 』が生かせる、と思えばそうするし、そうでなければ
無理矢理手を加える事もない、そう思えるようになりました。
作品に対して、何かにこだわり過ぎて無理に後から説明をくっ付けて
しまうのではなく、素直に向き合えていけたらいいと思います。

                        2007 . 9